医療法人徳洲会 八尾徳洲会総合病院
高まる技術、広がる領域
八尾の高齢化に対応すべく
2名のエキスパートを招へい
上部消化管外科と不整脈の各領域において、昨年2名のエキスパートを招へいした八尾徳洲会総合病院。高齢化が進むなか、各領域における病気のリスクと治療法についてお話をうかがった。
地域の高齢化への対応
エキスパート2名が参画し
超高齢社会のニーズに対応
「生命だけは平等だ」の徳洲会の理念を柱に、24時間体制の救急医療をはじめ、高度先進医療、在宅医療、予防医療など包括的な医療を実践する八尾徳洲会総合病院。475床の急性期病院として、年間1万件を超える大阪トップレベルの救急車の受け入れ件数を誇り、診療科の垣根を超えたチーム医療で大阪東部地区に住む人口約100万人の健康を守ってきた。昨今は八尾地域の高齢化に伴い、還暦以降に罹患率の高まる病気に対応するため、昨年4月に人材面を強化。上部消化管(胃・食道)と循環器疾患において、各分野のエキスパートである2名の医師が同院のチーム医療に参加した。
「胃がんはピロリ菌の除菌治療によって若い方の罹患率は減少していますが、一方で高齢者層では依然として多い疾患です。食道がんも飲酒や喫煙などが起因し、高齢者に好発するので注意が必要です」と話すのは就任早々、専門とする「食道・胃外科」外来を立ち上げた金谷先生だ。数々の病院で外科の修練を重ね、直近では大阪赤十字病院で外科部長を務めていた上部消化管外科の専門家である。
一方で、20年以上に渡って不整脈を専門とし、前任地の大阪赤十字病院で不整脈内科を立ち上げた牧田先生にも大きな期待がかかる。「高齢化の進展に伴い、近年は心不全の患者数が大幅に増加しています。その勢いは2035年まで爆発的に急増すると予想され、政府も『心不全パンデミック』と警鐘を鳴らすほどです。不整脈は心不全と互いに原因となり、増悪させ合う悪循環の関係にあります。特に不整脈の代表格である心房細動は、心臓のポンプ機能を弱めてしまうため、早期介入が欠かせません」。

金谷先生の赴任による技術向上で、食道がんのロボット手術が可能に

致命的な不整脈を監視・検知し、突然死を防止するICD(植え込み型除細動器)

不整脈の原因箇所である細胞死を誘導するカテーテルアブレーション
治療領域の拡大へ
専門医の価値を発揮し
より高度な治療を可能に
高齢化に伴う医療ニーズの変化に対応し、先進医療を追求する同院。今回のエキスパート2名の招へいは、まさに診療の高度化と教育体制の強化に直結した。胃がん・食道がんに対しては、90年代から腹腔鏡手術を、00年代からロボット手術をいち早く取入れ、黎明期から低侵襲手術の開発・確立に取組んできた金谷先生の手腕が光る。「手術はいかに正常の組織を傷つけず、がん細胞をきれいに切除するかが重要です。腹腔鏡手術やロボット手術は、傷が小さいだけでなく、合併症も少なく、完成度の高い手術です」と自信を見せる。不整脈に対しては、牧田先生の招へいで治療の選択肢が大幅に拡大した。「不整脈の治療は大きく分けて3つあります。抗不整脈薬などを用いる薬物治療、心臓にカテーテルを通して原因部分を直接治療するカテーテルアブレーション、そしてペースメーカーやICD(埋め込み型除細動器)などのデバイス治療です。私が専門医として赴任したことで、全ての治療を当院で行えるようになりましたので、不整脈の種類や重症度など患者様に応じた治療法を用いて専門医の価値を発揮していきたいです」。

毎朝カンファレンスを実施し、多職種で意見を交換。がん患者の病態や生活背景に応じて、手術・放射線治療・薬物療法など幅広い選択肢から治療方針を決める
持続可能な地域医療
若手医師の育成により
未来の地域医療の要に
日々治療技術の発展を追求する同院は、今や大阪市内まで行かずとも、同等もしくはそれ以上の医療を提供できるレベルにある。そして、高齢者人口が最大化する2040年問題が迫るなか、領域は違えど2名のエキスパートが口を揃えて説くのは「人材育成の重要性」である。「当院で完結できるクオリティをこの先も担保していくためには、若手育成がカギを握ります。私たちが培った技術と知識を後進へと継ぎ、これからの時代も『生命を安心して預けられる病院』として持続可能な地域医療の要を担っていきます」。
hospital data
医療法人 徳洲会 八尾徳洲会総合病院
TEL:072‐993‐8501
八尾市若草町1‐17

