医療法人藤井会 石切生喜病院 呼吸器
がん治療だけじゃない
高齢者のための日常を取戻す医療
石切生喜病院は2000年代初頭から呼吸器センターを開設し、東大阪市における呼吸器疾患治療の重要な位置を担っている。20年以上にわたって地域に貢献してきた同センターの取組みについて、お話をうかがった。
高齢者肺がん治療
がん治療とフレイル対策
両方できてこその医療
東大阪市のみならず全国の医療現場において深刻な課題の一つが医師不足。呼吸器内科・呼吸器外科も例外ではない。しかし、ここ石切生喜病院では内科・外科合わせ、13名の医師が在籍する充実ぶり。大阪府下でも有数の陣容だ。呼吸器センターとして呼吸器疾患全般を扱っているが、内科・外科がそろったセンターとしての機能がもっとも発揮されるのが肺がん治療。「内科と外科、さらに多職種がチームとなってカンファレンスを開き、各々の視点から意見を出し合って治療方針を決める多職種連携とチーム医療が機能しているのが強みですね」と話す吉本先生。地域に根付いた中核病院で、肺がんを専門的かつ包括的に診療できる施設は近隣では少ない。そのため、同センターには東大阪市、八尾市、大東市、四條畷市から肺がん患者が紹介されてくることも多いそう。また、地域がら高齢者が多く、高齢肺がん患者の診療に力を注いでいる。南先生によると「高齢者は合併症もたくさんあるため、副作用が少なく、かつ効果的な治療の調整が難しい。また心身が衰えフレイルになるリスクもあるので、それらを加味した治療が必要です」とのこと。高齢肺がん患者の治療は多要素が絡むため複雑で、大学病院でも受け入れが難しいこともある。しかし同センターはそういった患者も受け入れる。「高齢肺がん患者さんにも、ベストな治療を提供できるよう努めています。またフレイルになると副作用や合併症が悪化しやすいため、リハビリの呼吸器チームをつくり、がん治療と並行してADL(日常生活動作)の維持、あるいは以前よりも元気になれるよう取組んでいます」と話す南先生。肺がんは治療できても、寝たきりになったのでは意味がない。元気に自宅に帰って元の生活に戻ってもらうことが、高齢肺がん治療の目的だ。

治療中の体力低下によるフレイルの予防のため、呼吸器リハビリ専門のチームがある

化学療法室を備え、がんに対して集学的治療を行っている

呼吸器疾患の低侵襲手術のため、胸腔鏡を導入している
幅広い呼吸器疾患
複雑化した治療を網羅し
チームで最善の答えを出す
肺がん以外にも、喘息、COPD、間質性肺炎をはじめとする各種肺疾患、気胸など、幅広い呼吸器疾患の診療に取組んでいる。「間質性肺炎や肺気腫は肺がんになるリスクが高く、合併症から治療が難しくなるため、密な経過観察が必要です。また気胸などは外科なしには治療が成り立たないことが多いですから、人員が充実し、一人の患者さんに関して複数人が意見を出し合い、吟味できる呼吸器センターの役割は大きいと思います」と吉本先生。また泉先生によると「ここ10年ほどで様々な治療が複雑化しています。当院でも手術支援ロボット・ダヴィンチを導入していますが、外科ではより繊細な手術手技が可能になり、それが良好な結果として表れています。また多職種のチームで話し合ってベストな治療を考えるという時代ですから、ある程度医師が集まったセンターで、術前から術後までを通して手厚く診て、完結できる病院でしか対応できない治療が増えています」とのこと。同院では現代の医療に求められる体制を維持しつつ、高齢者が多い地域の特性に即して、高齢者医療においては大学病院と同レベルか、それ以上の治療を提供することを目標としている。

呼吸器内科8名、呼吸器腫瘍内科1名、呼吸器外科3名、さらに呼吸器内科医である平田病院長を合わせて、総勢13名の医師で構成する呼吸器センター
困ったときの石切さん
家族が付き添えるよう土曜も外来診療を開設
平田病院長がキャッチフレーズとして掲げる「困ったときの石切さん」。基本的に高齢者や合併症で弱っていても紹介患者を断らず、患者の話を聞き、チームで話し合って最善の治療を見つけるのが同院のスタンス。 その表れの一つとして、呼吸器センターでは土曜も外来診療を行っている。「土曜も開いていれば、仕事が休みのご家族がおじいちゃん、おばあちゃんに一緒に付き添って受診することもできるでしょう」と南先生。門戸を広く開き、困っている患者を見落とさず受け入れる。それが石切生喜病院の変わらない姿勢だ。
hospital data
医療法人 藤井会 石切生喜病院
TEL:072-988-3121
東大阪市弥生町18-28

