八尾市立病院 木戸先生
八尾市の医療課題である糖尿病と真摯に向き合い
多角的な診療を提供
八尾市では糖尿病の医療ニーズが高く、八尾市立病院では内分泌代謝・糖尿病内科で重点的に診療を行っている。肥満症に対する治療を開始するなど精力的に治療に取組む木戸先生に、詳しくお話をお聞きした。
内分泌代謝・糖尿病内科の特長
多職種でチームを組み全人的な診療を行う
八尾市が公表している情報によると、市民の約3人に2人は血糖値が高く、八尾市の医療費の1位が腎不全、2位が糖尿病となっており、糖尿病に関連する健康問題が課題となっている。そうした背景もあり、八尾市立病院では糖尿病治療に力を入れている。内分泌代謝・糖尿病内科の強みについて、科長の木戸先生にお話しいただいた。「糖尿病は生活と密着した疾患であり、患者さんの食事や生活習慣を把握して診療をしなければうまく治療ができません。そのため当院では糖尿病専門医、糖尿病療養指導士の資格を有する看護師、管理栄養士、薬剤師、メディカルクラークなどの多職種からなる『糖尿病診療チーム』を構成し、一人ひとりの患者さんに合わせて食事指導や療養指導を行いつつ治療をしています。また、当院では糖尿病に関する知識の普及のため、8月と11月を除く毎月第3木曜日に糖尿病教室を無料で開催しています。教室では基本的に医師、看護師、管理栄養士、薬剤師が参加し、それぞれがテーマを設けて10〜15分程度講演します。この教室は糖尿病にかかっていなくても、八尾市民でなくても参加が可能ですのでぜひご活用ください。なお、当科は令和7年度に名称変更を行い、糖尿病だけでなく、下垂体や甲状腺、副甲状腺、副腎などが関係する内分泌疾患全体を診療する科として新たに始動しました。内分泌疾患は診断がつきにくく、一般的な検査で問題が見つからないにもかかわらず、慢性的に体調不良が続くといった事例がよくあります。詳しく検査をすると甲状腺が原因だったということもあるため、原因の分からない体調不良が続く場合、かかりつけの先生にご相談の上、受診いただければと思います」。

画一的に診療するのではなく、患者さん一人ひとりの状況に合わせて全人的に治療することを心がけている木戸先生

本館2Fにある内分泌代謝・糖尿病センター

多職種から構成される『糖尿病診療チーム』
肥満症の薬物療法
新たに保険適用された薬物療法をスタート
肥満は2型糖尿病の重大なリスク要因であり、肥満に糖尿病を合併すると、肥満症と診断される場合がある。肥満症における糖尿病は、減量することが糖尿病の改善につながる。肥満は独力では改善が難しいケースもあるが、令和6年2月に肥満症の新しい薬物療法の保険診療が開始され、効果が現れつつあるようだ。八尾市立病院でも肥満に関する治療の対応をはじめたとのことで、詳細をお聞きした。「肥満症治療薬を処方するためには、厚生労働省が定める施設要件を満たす必要がありますが、当院はそれをクリアし、昨年から薬物療法を開始しました。薬を処方するためには複数の条件があり、高血圧・脂質異常症・糖尿病と診断がついていて、半年の間食事療法や運動療法を行っても肥満が改善されない、などの場合に処方することができます。薬が適用できるかの判断は難しい場合もありますので、当院では肥満症治療外来を設置し、かかりつけ医療機関からのご紹介患者さんを受け入れています。糖尿病と肥満を併発していて、なかなか体重が減少しない場合は、かかりつけ医の先生にご相談の上、気兼ねなくご連絡いただければと思います」。

糖尿病はなってしまうと完治することが難しい病気であるため、予防することが大切。そのため八尾市立病院では、誰でも無料で参加できる糖尿病教室を開催している
糖尿病にならないために
予備軍は危険のサイン 早期の治療開始を
取材の最後に、木戸先生から市民の皆様へメッセージをいただいた。「健診などで糖尿病予備軍(境界型)と診断される方がいらっしゃいますが、予備軍というのは『まだ大丈夫』ではなく『もう危険』というサインで、予備軍と診断された時点から食事療法や運動療法を開始することで、糖尿病に進行することを抑えることができます。糖尿病の診断には、過去1〜2カ月の平均的な血糖状態を示すヘモグロビンA1cという指標が重要となり、この数値が6.0以上だと『糖尿病の疑いが否定できない』状態となるため、数値に心当たりのある方は医療機関を受診いただければと思います」。
hospital data
八尾市立病院
TEL:072-922-0881(代表)
八尾市龍華町1-3-1

