八尾市立病院 病院長

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地域医療のカタチ

患者送迎車両の運行開始や地域医療連携の推進で
市民の医療ニーズを満たす

八尾市における中核病院の一つとして、地域の様々な医療課題に立ち向かっている八尾市立病院。現在行っている活動や医療連携の取組みについて、病院長の藤田先生にお話をうかがった。

 昭和25年の開院以来、八尾市の中核病院として市民の健康を支え続けている八尾市立病院。同院は公立病院であり、民間病院では対応が困難な医療を提供するなど、市民にとってなくてはならない存在であるが、八尾市の一部地域からはアクセスがしづらいという課題があった。そこでより市民がアクセスしやすくなるよう、今年の3月2日より患者送迎車両の運行を開始した。「当院はJR『久宝寺駅』から徒歩5分という場所にあるのですが、八尾市全体で見ると西の端に位置し、JR沿線にお住まいの方以外は『通院しづらい』という声があがっていました。そこで市民の皆様のご要望にお応えするため、患者送迎車を運行することといたしました。近鉄大阪線『河内山本駅』と当院を結ぶ『えだまめ号』、地下鉄谷町線『八尾南駅』『出戸駅』と当院を結ぶ『わかごぼう号』の2ルートがあり、平日のみの運行となりますが、予約不要かつ無料でご利用いただけます。詳しい運行情報は病院の公式サイトで案内をしております」と、病院長の藤田先生は語る。八尾市民に同院で行っている診療について、正しくより深く知ってもらうため、およそ2カ月に1度の頻度で市民公開講座を開催している。「通常は院内の会議室にて患者さんの関心が高いテーマで講座を開催していますが、年に数回八尾市と協力して院外でも講座を開催しています。昨年11月には、八尾市糖尿病予防集中キャンペーンに合わせて糖尿病対策の講座を、今年2月には、八尾市フレイル予防月間に合わせてフレイル対策の講座をコミュニティセンターにて実施し、多くの方にご来場いただきました。今後も皆様の健康寿命延伸を願い、様々な講座を開催していきたいと考えています」。

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今年3月から運行を開始した送迎車両

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八尾市と共同で開催したフレイル講座の様子

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藤田先生は上部消化管外科を専門とし、胃がんや食道がんなどの一人ひとりの患者さんに対して最適な治療を提案している

 同院は大阪府から地域医療支援病院として承認されており、地域の医療機関との連携強化に力を入れている。現在行っている取組みについて藤田先生に詳細をうかがった。「患者さんをできるだけスムーズに受け入れられるよう、開業医の先生や近隣の医療機関に向けた専門窓口をいくつか設置しています。循環器の疾患は急を要するケースが多いため、循環器内科の医師と直接通話ができるホットラインを運用しています。ニーズの大きい消化器患者さんの紹介に対しては、昨年7月から『消化器疾患専門外来』『肝疾患専門外来』を平日午後に開設し、これまで午前中のみとしていた受け入れを15時半まで延長して急を要する診察や検査、さらには緊急入院に対応できるようにしました。また、近年注目されつつある肥満症に対しては『肥満症専門外来』を開設し市民の皆さんの健康寿命の延伸を目指しています」。藤田先生はこうした取組みを周知するため、八尾市立病院の登録医を対象とした勉強会や研究会を定期的に開催し、病院の設備を視察できるツアーなども行っているという。同院と地域の医療機関の連携が緊密になれば紹介・逆紹介がスムーズになり、患者さんにとってメリットは大きいだろう。

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藤田先生は地域医療連携室室長を兼任しており、チームで医療連携の強化に注力。地域の医師と顔の見える関係を重視し、登録医総会や勉強会を積極的に開催している

 がん診療をはじめとした急性期医療の提供を使命とする同院だが、地域周産期母子医療センターの認定も受けており、小児・周産期の診療にも注力している。「早産や低出生体重児、または何らかの病気を持っている赤ちゃんに対し、治療・看護ができるNICU(新生児集中治療病棟)があり、NMCS(新生児診療相互援助システム)の協力施設として、他施設で出生したお子さんの受け入れも行っています。また、少しでも身体に負担なく出産ができるよう無痛分娩の対応も進めており、令和8年度には実施ができる予定です」。無痛分娩に対応する医療機関は八尾市には少なく、同院への期待は大きい。

hospital data

八尾市立病院
TEL:072-922-0881(代表)
八尾市龍華町1-3-1

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