社会福祉法人 恩賜財団 大阪府済生会野江病院

医療トピックス

手術支援ロボット

変形性膝関節症やリウマチなどの治療として行われる人工関節置換術において、大阪府済生会野江病院では最新鋭の手術支援ロボットが活躍している。その有用性についてお話をうかがった。

最新鋭の支援ロボット

大阪府済生会野江病院の整形外科では、人工膝関節置換術支援ロボットの第二世代機種を導入した。近畿圏ではまだめずらしい新しい機種だ。すでに多くの病院で使われている第一世代には機械がメスを入れるためのロボットアームが付いているが、新しい第二世代はロボットアームがない。あくまで医師による執刀を画像等によりナビゲートする、サポートに特化した機種だ。

人工膝関節置換術支援ロボット「CORIサージカルシステム」。高度な画像処理とデータ解析で、医師による手術をサポートしてくれる

経験則を排して正確に

人工膝関節手術で良好な術後成績を得るには、人工関節の設置角度や位置が最も重要な要素となるため、医師は手術前に綿密に術前計画を行っている。しかし実際に手術の場になると、手術中にしか知り得ない脚の靭帯バランスや骨の三次元的な変形角度などがある。従来の手術では術者がこれらを計算し、経験で調整を加えながら手術を行っていた。このため術者により手術成績にばらつきが出る恐れがあった。しかし手術支援ロボットは術中のリアルタイムの画像を投影することで、実際の状況に合わせた適切な骨切りをガイドしてくれる。「骨切りのラインや角度をミリ単位で調整できるだけでなく、靭帯のテンションも計測できるので、手術が格段に正確になりました。またガイド通り手術ができているか計測する機能もあり、術者としても安心です。支援ロボットがあれば、術者を問わず手術の結果を高いレベルで均てん化できると言えるでしょう」。2025年6月の導入以来、全例が支援ロボット下による手術になっているそう。第一世代の機種では、準備が煩雑で時間がかかるため使用を制限するケースがあったり、手術時間の延長により合併症のリスクもあったが、第二世代は準備時間も手術時間も短いため全例に適用でき、合併症のリスクが低いというメリットもある。

低侵襲で回復が早い手術

股関節の人工関節置換術には、患者にとってメリットの大きい術式を導入している。「AMIS(最小侵襲前方侵入法)といって、従来は切っていた筋肉や腱を温存し、筋間からアプローチして神経にも配慮する術式です。以前は3週間ほどの入院期間でしたが、AMISなら10日から2週間、なかには5日で退院できる方もいます」。離床が早いほど身体機能の回復も早い。長く動けないと運動器、内臓機能が低下し、認知症のリスクにもつながる高齢者にとって、非常にメリットの大きい術式だ。正確かつ低侵襲な膝関節・股関節手術で、活動的・健康的な生活を取戻せるだろう。

位置測定システムにより手術中のリアルタイムなデータを計測。人それぞれ異なる体型、身体的状況に合わせて、精密な手術計画を立てることができる
第一世代ではメーカーのスタッフの同席を要したり、機器のセッティングに時間がかかったりと煩雑だったが、新機種は簡易なため、全例の手術で使用されている

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