関西医科大学香里病院

医療トピックス

乳腺センター

女性が罹患するがんの中で、常に上位に位置する乳がん。関西医科大学香里病院では乳腺センターを設置して、多角的な診療を試みている。その詳細について、センター長である綿谷教授にインタビューを行った。

センター化の経緯

2021年春に開設した乳腺センター。開設の経緯を綿谷センター長にうかがった。「近年乳がん診療は著しく発展していますが、その一方で治療は複雑化し、より高い専門性が必要となってきました。また、乳がん診療は予防、診断、治療、経過観察、そして時には再発治療と、とても長い時間を必要とします。そうした背景から患者さんをより手厚く診療できるように、多職種が連携して診療するセンター化を行いました」。

トモシンセシス(3D撮影)が可能なマンモグラフィ撮影装置を導入。微細石灰化病変の検出が容易で、乳がんの早期発見に役立つ

包括的な乳がん診療

乳腺センターでは乳がんを中心に乳腺疾患全般を診療しており、病気の診断・治療を容易とする最新の検査機器が導入されている。「乳がんは早期に発見することができれば根治できる可能性が高く、発見が早いほど治療による身体の負担を軽減できることが多いです。そのため当院では早期発見を重視し、寝屋川市と四條畷市の乳がん検診に対応しています。検診で異常が見つかった場合には速やかに二次検診に移り、針生検やトモシンセシス(3Dマンモグラフィ検査)と呼ばれる断層撮影検査を行います。トモシンセシスは従来の検査よりも小さな病変を発見しやすく、病変の識別に有用です」と、綿谷センター長は解説してくれた。そして、乳がんが見つかってしまった場合には、多職種でカンファレンスを行い最適な治療を模索してくれるという。「当院では可能な限り低侵襲な治療を行うことを重視しており、腫瘍の大きさが1.5センチ以下の方であれば、乳房にメスを入れないラジオ波焼灼術という手術を検討し、乳房の切除がどうしても必要な場合には、形成外科との協力で乳房再建を試みます。また近年薬物療法の発展が目覚ましく、当院でも化学療法センターと連携して専門知識を持った薬剤師・認定看護師を中心とした医療スタッフとともに薬物治療を行うことが可能です」。

自分の乳房に関心を持つ

現在乳がんは日本人女性の九人に一人が発症する病気で確実に増加傾向である。他人事ではなく誰もが発症しうる病気であり、定期的に検査を受けることが望ましい。綿谷センター長は最後にこうメッセージを残してくれた。「何よりもまず、ご自身の乳房に関心を持っていただくことが大切です。普段から気にかけていれば時々乳房を触ってみて、しこりがあるかどうかに気づくことができます。『高齢になると乳がんにならないのでは』という声をよく聞きますが、ご高齢の方の乳がんは増える傾向にあります。ぜひいつまでもご自身の乳房に関心を持っていただけると幸いです」。

日本乳癌学会専門医・指導医である綿谷センター長は、幅広い乳がん治療に対応可能。「少しでも気になることがあれば、気兼ねなく受診してほしい」と語る
ラジオ波焼灼術で用いる治療装置。この手術では腫瘍を摘出せず、体外から針を指して電流で腫瘍を焼くため、乳房の切開を行わずに治療することができる

hospital data
関西医科大学香里病院 乳腺センター
TEL:072-832-5321
寝屋川市香里本通町8-45

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